毒舌紳士に攻略されて
今の時代、会社全体で忘年会をする会社も少なくなってきていると聞いたことがあるし、部署ごとに済ませるところもあるとも聞いたことがある。
現にうちの会社だって、会社全体の忘年会など開催される予定などなく、専ら皆各々で開催しているくらいだ。

「もうみんな来ているかな？」

「来ているんじゃない？時間ちょっと過ぎちゃっているし」

そんな会話をしながらも店内へ足を踏み入れると、熱気に包まれる。
やはり忘年会シーズン。店内は既に満員状態だ。

「本当によく予約が取れたね」

「うん」

一階から宴会会場のある二階へと向かっていく。
すると二階も一階にまけないくらい騒がしかった。
どうやら五つある宴会会場は全て使用されているようだ。

「あっ！ふたりともお疲れー！」

会場の前には今月幹事の子が待っててくれた。

「お疲れ様。えっと今回は会費四千円だったよね？」

「うん、お願いします」

会場に入る前に会費を集めるのがお決まりとなっており、琴美と一緒に会費を幹事の子に渡した。
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