毒舌紳士に攻略されて
「久し振り」
「……うん」
相変わらず騒がしい宴会会場の端っこで、私は数年ぶりに石川君と言葉を交わしていた。
居酒屋に戻ってくると、坂井君は仲が良い同期の子達の元へと行ってしまい、私はというとチラチラと視線を送ってきた石川君に気付き、ゆっくりと歩み寄った。
もう逃げたくないし、いつまでも過去に囚われたままも嫌だから――……。
どうやら石川君はしっかりと琴美が確保してくれていたようで、私の姿を見つけると琴美は気を利かしてか、離れた場所へと行ってしまった。
必然的にふたりっきりになったものの、うまく言葉が出てこない。
それは石川君も同じようで、お互い飲み物を口につけながら模索しているようだった。
終わりが近いからか、先ほどよりもより一層騒がしい。
きっと今なら多少大きな声で話したとしても、この騒がしさにかき消されてしまいそうだ。
そう思うと、なぜか自然と言葉が出た。
「私ね……すごくショックだったの。石川君に裏切られて、ずっとトラウマになっちゃって。恋愛もろくにできなくなっちゃった」
悲しいことを言っているというのに、つい笑みが零れてしまう。
「……うん」
相変わらず騒がしい宴会会場の端っこで、私は数年ぶりに石川君と言葉を交わしていた。
居酒屋に戻ってくると、坂井君は仲が良い同期の子達の元へと行ってしまい、私はというとチラチラと視線を送ってきた石川君に気付き、ゆっくりと歩み寄った。
もう逃げたくないし、いつまでも過去に囚われたままも嫌だから――……。
どうやら石川君はしっかりと琴美が確保してくれていたようで、私の姿を見つけると琴美は気を利かしてか、離れた場所へと行ってしまった。
必然的にふたりっきりになったものの、うまく言葉が出てこない。
それは石川君も同じようで、お互い飲み物を口につけながら模索しているようだった。
終わりが近いからか、先ほどよりもより一層騒がしい。
きっと今なら多少大きな声で話したとしても、この騒がしさにかき消されてしまいそうだ。
そう思うと、なぜか自然と言葉が出た。
「私ね……すごくショックだったの。石川君に裏切られて、ずっとトラウマになっちゃって。恋愛もろくにできなくなっちゃった」
悲しいことを言っているというのに、つい笑みが零れてしまう。