毒舌紳士に攻略されて
同期だし、話すのは当たり前だ。
でも先月の同期会のこと考えると、坂井君のことが信じられない。
だって高橋君に酷いことを言われた私を庇ってくれたよね?
私の代わりに怒ってくれた。
結局あの日以降、高橋君からは謝罪の言葉を聞いていない。
そういう人なんだと認識した。

いくら酔っていたとはいえ、社会人としてあるまじき行為だ。
人に罵声を浴びせたのだから。
酔っていたとしても記憶はあるはず。でなければあんなに饒舌に話せたわけがない。
なのに謝罪の言葉がないということは、残念な人なのだ。

私の中で高橋君はそう位置づけられた。
同期には代わりない。でも今後もそれ以上の関係を築きたいとは思えない人だ。

もちろん私がそう思っているからと言って、それを坂井君にも強要するつもりはないし、そんな資格もないと分かっている。
坂井君が誰と交流しようが、私には関係ないことだ。

だけど、つい問いかけてしまいそうだ。

「あの時怒ってくれた気持ちは、一体なんだったの?」と――。

坂井君なら「ちゃんと謝れよ」と言ってくれそうなのに……。

私、勝手に坂井君のこと過剰に評価し過ぎていたのかな?
そもそもそんな考え方が間違っている?
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