毒舌紳士に攻略されて
「付き合ってどれくらいでシたわけ?」

聞いた瞬間、二人同時に口に含んでいた珈琲を拭き出した。

「っ汚ねぇな!」

見事に正面に座る俺の方まで飛んできてしまい、咄嗟に言葉を漏らすと勢いよく二人して反論してきた。

「元気がいきなり変なこと言い出すからでしょ!?」

「そうだぞ!こんな家族団らん中に出す話題じゃねぇだろうが!」

慌てた様子でティッシュで口元を拭く二人。

「何言ってるんだよ。親父、俺が高校生になったら散々教えてくれていたじゃねぇか。色々なテクニック――……」

「バカ!木苺の前で何言ってるんだ!」

高校生になると同時に、『入学祝いだ』とか『そろそろそういう時期だろ?』とか言いながら、散々教えられてきた。だから普通に言ったものの、それは母ちゃんの前では禁句だったようで、親父は慌て出し、母ちゃんの顔はみるみる変化していく。

「ちょっとみっちゃん?なにそれ。初耳なんですけど」

「いや、その……」

言い訳が思いつかないのか、俺をチラチラ見ながら『なんで言うんだよ』と目配せしてきた。
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