毒舌紳士に攻略されて
「だけど渡せなかったでしょ?それからもなんか、タイミングが掴めなくてずっと渡せなかったから……。渡すなら今日しかないと思い立っちゃって」

「だからわざわざ届けにきてくれたのか?」

するとめぐみは何も言わず、大きく頷いた。
その姿に胸が締め付けられる。

ここ最近ずっと悩んでいたことがバカらしく思えてきた。
するとかしないとか、そういうこと以前にもっと大切なことがあったのに、どうして俺はそこにばかりこだわっていたのだろう。

ずっと好きだった子が、同じように好きになってくれた。
こうしてわざわざ寒い中、渡せなかったプレゼントを届けにきてくれた。
それだけで充分じゃん。
その先なんてまだまだいいや。
たったこれだけで、心は満たされていくから。

緩みそうになる口元を押さえながら、めぐみが手にしているギフトバックをそっと受け取る。
その瞬間、勢いよく顔を上げたものだから吹き出しそうになってしまった。

「……ありがとう。すっげ嬉しい」

「坂井君……」


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