毒舌紳士に攻略されて
「坂井君ってどこまでも紳士的だよね」

「は?」

「紳士的だよ」

そう言うとめぐみは上半身を起こし、そっと俺の頬にキスを落とした。

一瞬のキス――。

そのまま両腕を俺の首に回すと、耳元で囁いた。

「そういうところも全部、好き」

「……っ!」

本当にめぐみは俺のことを煽るのがうまいと思う。

それからはただ夢中でめぐみを抱いた。
全身でめぐみを感じて、ぬくもりに溺れて――。

時折苦しそうに漏らす甘い声さえ愛しい――……。


可愛くて、愛しくて、どうしようもない。
初めて抱く感情にのまれていく。

何度も想像していた。
だけど想像と現実は全然違っていて、想像以上だった。
こんなにめぐみを愛しいと思える行為を知ってしまっては、いくら行為に及んでも満たされないのではないか、とさえ思えてならない。

『好きな奴ができたら、絶対シたくなる』

以前親父が言っていた言葉を思い出す。

確かに親父の言う通りだ。
好きだからシたくなる。好きだからこそ求めてしまうんだ。
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