強がりウサギの不器用な恋
「で、何でそんなに仏頂面なわけ?」
商談をした男性に、海藤さんが美味しいレストラン情報を聞き出したらしく。
私たちは今、そこで夕飯を食べている。
「別に。元からこんな顔ですから。」
そうは言うものの。
私は少しばかり、苛々……というか、腹が立っていた。
それは目の前の男に対してではなく、社長にだ。
先にメールで商談していたのなら、何故それを言ってくれなかったのか。
社長が「うっかり言うのを忘れていた」と言うのはよくあること。
だけど、今回のことはソレとは違うと思う。
明らかにわざと私に言わなかった。隠された。
仕事のことで、私と社長の間に隠し事なんて今までなかったのに、と思うと腹が立ったのだ。