強がりウサギの不器用な恋

「やっぱ、暑い時に水の中に入るって気持ちいいな。」


ひと泳ぎした後、濡れた前髪からポタポタと雫を落とす男が、私がいる日陰のプールサイドに戻ってきた。


タオルを手渡してあげようか、と一瞬考えたが。
そこまで気を利かす必要も無いと思い直して、手をとめる。


それに、当たり前だけど海藤さんは上半身裸の水着姿で。
目のやり場に困るっていうか………

思っていた以上に身体が引き締まっていてガッチリしているし。


それだけでもドキっとするのに、濡れた髪をかき上げる動作をすれば、男の色気がダダ漏れだ。


他にもプールに人はいるけれど、この男は中でも一段と人目を引くと思う。

………認めるならば、かっこいい。


見ないようにと意識すれば、私の目は泳いで挙動不審になってしまうし……

やっぱり、プールやビーチは苦手だ。


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