強がりウサギの不器用な恋
隣の椅子に座る海藤さんの手が伸びてきたと思ったら、私の胸元にあったパーカーのジッパーを迷うことなく掴んで、強引に引っ張り下ろした。
キャー!!っと悲鳴をあげなかっただけ、ありがたく思ってもらいたい。
「へー、エロい水着チョイスしてくるなぁ。」
ホルターネックに胸の中心にはリボン。
白地にハイビスカス柄のビキニを見て、男が飛び切りの笑顔で満足そうに笑う。
エロいって言われても、これは私が選んだんじゃない。
その昔、友達に強引に買わされたんだってば。
それに、これしか持ってないんだよ!!
そう抗議しようとして、思わず顔を見てしまったのがいけなかった。
思いのほかその顔が近くにあって。
色気をふんだんに振りまいた男が私の瞳を射抜き、何も言えなくさせている。
その色気で殺されそう……。
そう思ったのは、この男が生まれて初めてだ。