強がりウサギの不器用な恋

「あのな、今俺たちは部屋にいるよな、二人で。
こんな状況でそんなこと……出来るわけないだろーが。」


どういう意味ですか? と訊き返そうとしたが、呆れた顔でじーっと見つめられると、思わずそれも言えなくなってしまう。


「そうですよね、出来ないですよね…。
相手が私ですもんね。もっと色気のある女の人なら別なんでしょうけど。」


おかしくなった空気を払拭したくて、私のほうから先に笑い飛ばすようにニコニコと冗談を口にする。

………なのに、



「俺を煽るな。」


ボソリと聞こえたその声は、冗談なんて感じさせずに真剣そのもので。


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