強がりウサギの不器用な恋
「じゃあ、今度着てみせてよ。」
「そんな機会はありません。」
「着るだけなんだから、ここで着りゃいいじゃん。」
「意味不明です!!」
どこの世界に、意味なく会社で水着姿を披露する阿呆がいるんだ。
しかもハイビスカス柄のビキニだよ。
……変人どころか頭の線が何本も切れた人になっちゃう。
「宮田がそこまで頑ななのに、よく飛向は水着にさせることができたな。」
「……無理やりですよ、ほんとに。」
「無理やりか……。どんな手使ったのか、飛向が来たら訊いてみよ。」
「もう、変なこと訊かないでください!!」
私が言い返すのが面白いのか、社長が上機嫌で次から次へ冗談をふっかけてくる。
こんなやり取りは今に始まったことじゃない。
大学時代から社長は私を女だと意識せず、いつもこんな調子だった。