強がりウサギの不器用な恋

部屋中に彼の大きな怒声が響き渡り、思わず肩がピクリと跳ねる。

私も、おそらく社長も……
こんな怒りに満ちた彼を見るのは初めてのことで、呆然と何も言葉が出てこない。


ピンと空気が張り詰め、数秒間…沈黙の時間が流れた。


「…悪い。大声出して。」


その沈黙を破ったのは他でもなく海藤さんで。

自分の荷物を手に取ると、そのまま事務所を出て行ってしまった。



「…待って!!」


衝動的に私は彼を追いかけ、エレベーター前でその後姿に追いついた。


でも、追いかけたはいいものの。
どんな言葉をかけたくて、何がしたくて彼を追いかけてきたのか、わからなくなった。



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