強がりウサギの不器用な恋
今、ベッドの傍で安心するように胸を撫で下ろしたのは、
間違いなく、……社長の奥さんだった。
数ヶ月ぶりに見る彼女は、以前と何も変わっていない。
大人びた女性の雰囲気はそのままだ。
変わっていたのは、そのお腹の大きさだけ。
「奥様が、私を助けてくださったんですか?」
「ボランティア事務所に差し入れ持って行こうとしてて、たまたまあそこを通りかかったの。
ていうか、“奥様”なんて呼ばれると恥ずかしい。…明未でいいよ。」
明未(アミ)……奥さんはそんな名前だったな。
「呼びかけても反応なかったから、救急車呼んじゃった。…ごめんなさい。」
明未さんはペコリと小さく頭を下げながら申し訳なさそうにする。
その判断は間違っていないと思うのに。