強がりウサギの不器用な恋

「いえ。謝るのは私のほうです。
明未さん……確か明日が出産予定日ですよね?
…社長から、そう聞いています。
そんな方に救急車で付き添ってもらうなんて……」


こちらのほうが、申し訳なさでいっぱいになった。

私に付き添ったせいで、陣痛が早まったり……
万が一何かあれば、私は社長や明未さんに対して、どんなに詫びても詫びきれないから。


「あぁ…気にしないで。
初産って、予定日よりもちょっと遅れるのかな?
全然陣痛が来る予感がしなくてね。
お医者さまからも、もっと歩いて動きなさいって言われてるの。」


そうやって、何でもないことのように笑って言ってくれるけれど。

この明未さんという人は、おそらく元々身体が強くない。


だからこそ、社長は人一倍過保護のように心配していて。
数日日本を離れることになる海外への買い付けにも、頑なに行こうとしなかったのだ。


< 268 / 404 >

この作品をシェア

pagetop