強がりウサギの不器用な恋
「ご迷惑かと思ったんですけど……
いてもたってもいられなくて、病院まで押しかけてきてしまって…。」
すみません、と申し訳なくて再度頭を下げた私に、ガッチリとした体型のイケメンのお兄さんが、優しい笑みを向けてくれた。
「いえ。明未のこと、心配してくださって有り難く思います。
ちょうどうちの親が今、北海道に転勤になってて……
産まれそうだって連絡したんですけど、向こうは悪天候で飛行機が飛ばないとかで、まだこちらに着いてないんですよ。
だから、あなたたちが来てくれていたと知れば、明未も喜ぶはずです。」
さぁ、どうぞ、とお兄さんは私たちに椅子に座るように促してくれた。
その振る舞いがすごく自然で……まるでエスコートでもしているように凄く大人。
4人で静かに座っていると、分娩室のほうから微かにだけど声が聞こえる。
それは、「うー」とか「あぁー」とか、悶絶するような……言葉にならないような女性の悲痛な声。
――― きっと、明未さんの声。