強がりウサギの不器用な恋
「どうしたんです?」
「…いや。酒はいい。話があるから。」
彼の今の表情からして、その話とやらが私にとって良い話じゃないのは想像がついた。
わざわざ……何の話に来たのだろう。
こんなに雨に濡れてまで、今しないといけない話なのだろうか。
それは、綾乃さんの話か……それともまた別の話なのか。
「や、やだなぁ。なんか今日の海藤さん、ちょっと怖いですよ。」
不穏な空気を読み取り、私は何かを探るように、おどけて明るく言う。
玄関先でずぶ濡れで立っていたときから、今日の彼はずっと無表情だった。
なのにその上、不機嫌な色を乗せられては、こちらも身構えて当然だ。