強がりウサギの不器用な恋
「俯いて下を見ると、余計怖いぞ。
できるだけ遠くの山を見てればいい。」
「………はい。」
「それでも怖ければ、ずっと俺の顔でも見とく?」
おどけるように突き出された顔。
この男の顔を、ここまで至近距離で見たのは初めてだ。
「何で海藤さんの顔を……」
「ん? なかなかのイケメンだろ?」
「自分で言わないでください!」
「ははは。しかし…手を繋いでこんな風に近い距離で話してると、恋人同士みたいだな。」
確かに、周りから見ればそう見えるだろう。
手を繋いで乗ってる、イチャついたカップルに。
だけど、手を握られていると怖いのが少しおさまるから……
今の私はその手を、振り払うことが出来ずにいた。