強がりウサギの不器用な恋
だけど、何故か海藤さんは海外にいたときに見たテレビのおもしろCMの話なんかを始めて。
そこから、日本にも昔あんなCMがあっただとか、
子供のときに見た戦隊ヒーローものの番組が好きだったとか……
本当にこの人には似つかわしくないほど、ペラペラとどうでもいい話題を喋りまくってた。
こんなに喋る海藤さんは、今まで見たことが無い。
だがそれも、少しでも私が怖がらないように気遣ってのことだと、ロープウェイを降りるころにようやく理解した私も鈍感だ。
「あの……ありがとうございました。」
ロープウェイを降りた時、そっと海藤さんにお礼の言葉を述べた。
おかげで、足がすくむことも、顔が青くなることもなかったから。
「ん? 俺は何もしてないよ。操とイチャついて話したかっただけだから。」
照れ隠しなんだろうか。
それとも、貴方の優しさや気遣いを、私がわかっていないとでも?
少しだけ……ほんの少しだけ、この男の印象が変わった瞬間だった。