強がりウサギの不器用な恋
はぁ…………卑怯だ。
またこうやって魔法をかけられた。
ゴリ押しとも取れる発言なのに、最後まで嫌だとは言えなくさせられてしまう。
ほんとに変な人だ。
変な人で不思議な魔法を使う人だけど………凄い人。
結局、小さいマンションの一室に、デスクとパソコンなどを置いて。
ようやく会社というか職場らしくなってきた。
私は週2回のはずのバイトが、いつのまにか3回……4回となり。
気がつくと、会社の利益も規模もどんどん右肩上がりに上昇していて。
それから半年くらい過ぎると、私が毎日バイトに来ないといけないくらいに忙しくなっていた。
「誰か、事務の方を雇ったらどうですか?」
「……ん?」
「こんなに忙しくなってきてるんですし。」