メランコリック
定時から少し経って、藤枝から電話が入った。

場所を教えて、ダイニングバーにやってこさせると、藤枝は俺と緑川を見て目を丸くした。
それから、ようやくくつろいだように頬を緩めた。

メシの最中、喋るのはもっぱら俺と緑川で、藤枝は頷くか小声で相槌を打つかだった。
でも、あいつがこの三人のメシを悪く思ってはいないのは伝わる。
緑川サマサマだ。
お礼もそうだけど、また協力してもらおう。

藤枝を交えた初めてのメシを終え、方向が逆の緑川とは駅で別れた。
俺と藤枝は最寄り駅が一緒なので、必然一緒に帰ることになる。


「毎週来るの?」


電車のドア側に立ち、藤枝が言った。顔は俺の方を見ていない。車窓を流れる景色を追っている。


「水か木のどっちかな。その時は一緒に帰ろう」


藤枝がふっと笑った。苦笑だったけれど、大進歩だ。
こいつが俺に対してこんな態度を取るようになったこと事態、すごいことじゃないか。


「一緒には帰らない」

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