メランコリック
「うっせぇ、おまえに拒否する権利はねぇんだよ。メシは毎回じゃなくていいけどさ。並んで帰るくらい問題ねーだろ?」


「私のことかまうのやめなよ」


拒絶の言葉なのに、柔らかく響く。
藤枝は、きっと決定的には俺のことを拒否できない。俺とキスをしてしまった責任?
責任じゃなくても、それに近しい感情がこいつの中にあるようだ。

それを存分に利用してやろう。


「おまえが俺と付き合いたくなるまで一緒に帰る」


「だから付き合わないってば」


藤枝がふふっと声を出して笑った。
目を細め、笑顔になった藤枝は可愛い。美形という点では緑川の方がポイントが高い。
でも、藤枝は可愛い。冷たい無表情の時は綺麗だし、笑えば幼くて可愛い。


「この前の杉野の件もあるし、送れる時は送って帰りたいんだよ。俺の勝手だろ?どうせ週1なんだから、付き合え、バーカ」


藤枝はそれ以上何も言わず困った顔で微笑んでいた。
これは同意と取ってもいいだろ。
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