メランコリック
幸福、そういえばいいのだろうか。
求めていた淡く儚いものが手のひらに舞い降りたような。

刹那の安堵。
でもきっと、一番永遠に近い安堵。


私は自ら、相良の唇にキスをした。
そのキスが深く、熱を帯びていくのを心地よく感じる。

何度も角度変えて、唇を合わせ、舌を絡め、唾液を吸いあった。

やがて、相良の指が私の肌をたどりだし、私はそれらのすべてを吐息とともに受け入れた。


「相良くん……」


弾む息の合間に名を呼ぶと、相良が少年のように夢中な瞳で言った。


「名前で呼んで。俺も呼ぶから」


私は彼の額に口付け、応えた。


「駿吾」


「汐里……、好きだ、汐里……」


夜が明けるまで、私たちは何度も交わり、何度も絶頂を迎えた。
汗と汗を混ぜ合い、吐息を絡め、征服しあうように、慰めあうように、必死になって抱き合った。



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