メランコリック
藤枝は間を置かず、首を横に振った。
ふるふると、力なく。

それが拒絶の意味なのはよくわかる。


「じゃ、今まで通り、悪口言われまくり、仕事の足引っ張られまくりでいーわけだ」


俺は憎々しく問う。
どこまでも俺の言うことを聞かない女。
本当に嫌いだ。
俺たちのいじめに傷ついてんなら、やめてくれって言えばいい。
なのに、絶対俺の思うとおりにはいかない。


「相良くんは私が嫌いだから、コントロールできる支配下に置きたいんだろうけど」


藤枝の声はすでに普段の冷静なものに戻っていた。
何者にも脅かされない澄んだ声に。


「相良くんとそういう関係になるのは無理だから」


「んだと?おまえ、何様?」


俺の口から勢い強い言葉が迸った。
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