「お前は俺のモノ」【完結】
雅人さんと、章吾さんが笑顔で手を振るのに私も笑顔で返す。
葵兄は一人暮らしをしてるけど、実家から家が近い。
そんで、その実家の二軒先が私の家。
だから、帰りは必然的に一緒。
「今日の多恵、上達してたな」
「本当?嬉しいな」
ベースを肩にかけた葵兄が私に向かってそう言う。
葵兄から褒められるのはやっぱり嬉しい。
「やっぱり俺の目に狂いはなかったな」
「ええ?何の話?」
「多恵を誘ってよかったって話」
「あはは、うん、私もやってよかった」
「雅人も章吾も、多恵の事気に入ってるし、俺は心配だ」
「出た、お兄ちゃん」
二人は可愛がってくれてるだけだと思うけどな。
葵兄は昔から少し心配性なとこがある。
私を想ってくれての言葉だから、何も言わないけど。