「お前は俺のモノ」【完結】

「お、もう着いたな。よし、また来週な。
それで本番だ」

「うん、緊張する」

「何度も歌ってるだろ」

「それでも、人前で歌うのは緊張するよ」

「まあ、それもそうか。歌詞とちるなよ」

「…プレッシャーやめて」

「あはは」


ケラケラと笑いながら、葵兄は手を振って歩いて行く。
葵兄を見送ってから、私は玄関に入る。


「ただいまーー」


靴を脱いで中に入った。
玄関にはいつもない革靴があった。

珍しい、お父さんがいる。
いっつも残業だなんだって遅いのに。


然程気にせず、リビングに入るとお母さんとお父さんがテレビもつけずに座っていた。
お父さんはスーツのまま。

あれ?
何でだろう?
すぐにスーツ脱いでスウェットに着替えてるのに。
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