「お前は俺のモノ」【完結】

「………あ、多恵。お帰りなさい。
話があるから、こっちおいで」


お母さんは私に気付くと、疲れた様子で話す。
お父さんは黙ったまま。

…何?何があったわけ?


不安に駆られながら、私はカバンをソファに置くとお父さんの前に座る。
正座をしたお母さんが、私を見ると涙ぐむ。


「…私の口からは…」


え?何?
お母さんが泣いてるのなんて、なんかの行事ぐらいなんだけど。
それも、私が小さい時。


「何?何があったの?」


お母さんから、お父さんに視線を移す。
お父さんは口を開くのを躊躇っている。

だけど、意を決して話し出した。


「……実は、な」


ゴクンと生唾を飲み込む。
この重い空気が不安を更に駆り立てた。
< 17 / 254 >

この作品をシェア

pagetop