「お前は俺のモノ」【完結】
「………あ、多恵。お帰りなさい。
話があるから、こっちおいで」
お母さんは私に気付くと、疲れた様子で話す。
お父さんは黙ったまま。
…何?何があったわけ?
不安に駆られながら、私はカバンをソファに置くとお父さんの前に座る。
正座をしたお母さんが、私を見ると涙ぐむ。
「…私の口からは…」
え?何?
お母さんが泣いてるのなんて、なんかの行事ぐらいなんだけど。
それも、私が小さい時。
「何?何があったの?」
お母さんから、お父さんに視線を移す。
お父さんは口を開くのを躊躇っている。
だけど、意を決して話し出した。
「……実は、な」
ゴクンと生唾を飲み込む。
この重い空気が不安を更に駆り立てた。