「お前は俺のモノ」【完結】
「……はあ」


私の目の前で盛大に溜め息をつくと、彼は私をぎゅっと抱き締めた。


…今の溜め息何!?
わかんないのに、抱き締められてるし。


「あー、抱きてえ」

「!?」


たった今浮かんだ疑問が解決されたのはいいけど。

恥ずかし過ぎる言葉に、ぎょっとした顔を向ける。
彼は眉根を寄せると、私にキスをした。


「…行ってくるわ」


私がコクンと頷くと、再度、彼はキスをして来た。


それから、準備を終えた彼が玄関に向かうのを見送る。
靴を履いてから、私にキスをすると彼は微笑んだ。


なんだろう、最初よりも表情が柔らかくなった気がする。


閉まる扉をじっと見つめて私はそう思った。
< 190 / 254 >

この作品をシェア

pagetop