「お前は俺のモノ」【完結】
ガンガンと玄関から音がして、肩がびくっと揺れる。
何事だろう。
誰か来たのだろうか。
…怖い。
また、ガンガンと音が鳴った。
心臓が変な音を立てる。
その後に、聞こえた懐かしい声。
「多恵!!!いるんだろ!?」
―――――――…この声、知ってる。
すぐに思い出す、懐かしい声。
「多恵!!返事しろ!!」
再度、声がして私はぽつりと呟く。
「……あ、おい兄…?」
葵兄が、今ここにいる?
出て行きたい衝動に駆られる。
だけど、次に聞こえた声でその考えを止めた。