「お前は俺のモノ」【完結】
「…多恵?」
コンコンと扉をノックする音が聞こえる。
だけど、私は返事をしない。
「…ご飯、ここに置いてくからね」
そうやって、朝食も置いていた。
朝から何も食べてない。
だけど、何も食べる気になれない。
例えばね。
私が大きな会社の娘とかでさ。
そういうお見合い的なのもあるとか、まあ、今時なんて思うけどね。
そんな感じならば、自分の立場を考えて納得はしないけど、受けたと思う。
だから、私が彼の立場なら受けたんだ。
でも、私は違う。
普通のサラリーマンの父親とパートをしてる母親。
だから、そういったしがらみに巻き込まれるのがそもそもおかしいんだ。
外が暗くなるまで、私はベッドの上から動かなかった。
天井を仰いで、ひたすらぼーっとしていた。