「お前は俺のモノ」【完結】
「おい、いるんだろ?出て来い」
「………」
驚きと、恐怖で声が出ない。
返事をしない私にイラついたのか、またドンっと扉を叩く。
同時に私もびくっとなる。
「おい!無理矢理こじあけんぞ!
開けろ!」
「……っ、はい!」
そーっとゆっくり近付きながら、私は扉の鍵を開ける。
それから、ドアノブを回した。
少しだけ開けると、強引に引っ張られて扉を全開にさせられた。
そこに立っていたのは、紛れもなく彼、藤沢彬だった。
これは、夢?
私は何度も彼の顔を確認する。
そんな私に綺麗な顔を歪ませると、彼が舌打ちをした。
その容姿にそぐわない口調で彼は言い捨てる。
「…ったく、頭ボケてんのか?
お前は俺のモノなんだろ?」
「………」
「行くぞ」
「えっ、どこに、ですか」
私の腕をぐいっと引っ張る彼は、一度私を見ると盛大な溜め息をつく。
それから、私の母親を見た。
…そんなとこにいたんだ。助けてよ、少しは。