その光を、追いかけて。




母さんに頼んで、支えてもらいながら体を起こす。

そばにある引き出しからレターセットとペンを取り出した。



食事の時に出してくるテーブル。

仁葉が来ていた頃はベッドの中に入りこんで、これで課題をしていたな。



そんなことを考えながら、テーブルを固定した。



ゆっくり手を動かして、仁葉のことを考えながら手紙をつづる。



辛いことはなかったかな。

悲しいことはなかったかな。



手紙があってよかったと思うけど、だけどそれだけじゃわかってやれないことがある。

たくさん、……たくさんある。



僕の体が自由じゃないからって気をつかっていないか、いつだってどこか不安なんだ。



そうして手紙を書いていく。



締めの言葉はいつだって同じ。










『手紙ありがとう』










そんな短い言葉じゃ伝えきれないくらい、僕は君からの手紙に救われているんだ。



だから、……だけど。

ただ、ありがとう。



────────ありがとう。






< 413 / 421 >

この作品をシェア

pagetop