間違ってても、愛してる
「信じて、いい?」

「もちろん。」



丁寧にキスして、彼がゆっくりと私を押し倒す。

そして、私の上に跨り、顔のそばにドンと手を突いて、真っすぐ見つめながら囁く。



「少しずつでいいから、俺を好きになって。絶対、後悔させない.....。」



切なさに満ちた声に心が震えた。

彼を心から愛しいと思う気持ちが、身体の真ん中から溢れるように湧き出て来た。



夫には、これと同じ気持ちを感じた記憶がもうない。

学生時代を共に過ごした夫とは、結婚したいからしたのではなく、別れる理由がないから何となく籍を入れた。

一緒にい過ぎた分、互いの関心が薄れるのも早く、結婚生活はすれ違いばかり。

いつの間にか私は、夫を本当に愛しているのかどうかもわからなくなっていた。
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