単純な恋。
「お母さん、絶対喜ぶよ。親孝行したね」


「…ああ」





「…透と…お母さんの名字、違うの?」


さっき西原が書いていた配達伝票のお母さんの名前が『川村 広子』になっていた。


「…ああ。…再婚してるから」


「…そうなんだ。…いつ?」


「俺が大学卒業した時」


「…そうなんだ」




お母さんの事、話したくないのかな。
それっきり、話さない西原。


「地下でさ、お弁当買って帰ろうよ。夕御飯にしよ?」


「ああ」


「何がいいかな。中華にする?奮発してお寿司とか?」


「何でもいいよ」


「何でもいいよが1番、困るんだよ。男はハッキリ決めなくちゃ」


冗談言って美味しそうな匂いがする地下にエスカレーターで降りていく。











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