先輩、次こそ『壁ドン』やります! 【壁ドン企画】
「………変わらないほうがいいっての、俺も分かります」

自分が何を言いたいのか、何を言おうとしているのか、自分でも分からない。でも胸の中にご大層にしまっておくより、全部晒して伝えた方がいい気がした。

「ただ飲みに誘ってもらうだけでも、俺すげぇうれしかったし。先輩とこうやって飲みに来るのしあわせだし。それだけでも十分っていうか」

先輩が迷惑そうな顔をしていなことにちょっとだけ勇気付けられて、俺は俺に似合わないテンションで精一杯言葉を紡いでいく。

「けど。延々と同じことだけが繰り返されるって思ってた日常とか関係とかが変わりそうになったときって、ドキッとしませんか。……出来ませんか?」

自販機についたままの手がちょっと震えているけど、そのまま告白を続けた。

「俺はします。ってかしました。全然俺のことなんて眼中にないんだろってずっと思ってたちな先輩の、本音っぽい話聞けて。ちょっとは心許されてるのかなって勝手に思って、今ドキドキしてます」
「はは。そっか」

先輩が、ちょっと照れたように顔を背けて呟く。

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