君とみた蒼空


体育館につくと、私はそっと中を覗き込んだ。


「あ………」


蒼くんだ。


蒼くんは、友達と話している。


私は蒼くんに手招きしてみた。


すると、蒼くんが気づいてこっちに来た。


「詩音。どうした?」


「あっ……蒼くん。シューズ……歩実が」


「おお! さんきゅ! 無くて困ってたんだ」


蒼くんはそう言って笑うと、もう一度ありがとう、と言って体育館に戻っていった。


蒼くんのバスケするところ、ちょっと見てみたい。


でも、盗み見はダメだよね。


私は下駄箱へと足を進めた。
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