「私は貴方のモノ」【完結】
ぎゅうっと拳を作る。
皆が盛り上がる音なんて、俺の耳には入って来ない。
誰かに話しかけられても、それは全て俺の耳を素通りしていた。
……。
「帰る。おい、タケル。送れ」
「え!?彬もう帰るの?」
昨日もあれだけカラオケで騒いだ癖に、タケルは今日も元気にクラブに通っている。
そんなタケルにそう告げると、
「俺飲んじゃったしー。別のヤツに送らせるよ」
肩を竦めながら言った。
「誰でもいい。タケル、お前はナビしろ」
「ええー。行かなきゃダメなの?」
「俺は後ろで寝る」
「何だよ、それ。彬」
「うるさい」
口を尖らせていたけど、結局タケルも俺と一緒に来るみたいだ。
タケルの後輩だっていう男に、鍵を渡すと俺は後ろに乗ってシートを倒した。
助手席にはタケル。