「私は貴方のモノ」【完結】
大学に到着した俺は、真っ直ぐにタエがいるであろう場所へ向かう。
乱暴に扉を開ける。
一気に集まる視線。
然程気にせず、俺はタエを探す為にぐるっと部屋中を見渡す。
バチっとかち合った視線。
後ろの席にタエは陽子と共に座っていた。
咄嗟に体を隠しているタエに、更に怒りが募る。
逃げられるとでも思ったのか?
俺はタエがいる席まで真っ直ぐに歩く。
「タエ」
そう呼ぶけど、タエは動かない。そんな姿にも苛立つ。
再度、「タエ」そう呼ぼうと口を開こうとした時だ。
「彬さん、今授業中です」
陽子がタエを隠す様に立つと、俺の前に立ちはだかる。
キッとこっちを睨みつけて、そう言い放つ。
昨日あんな事されたのに、根性あるみたいだな。
どうしてしまおうか。
視線が俺達に集中してるけど、別にどうでもいい。
これで問題起こしたとしても、別にどうでもいい。
今、俺が最優先するのはタエだ。
だけど、俺が何かをする前にタエが陽子に慌てて言った。