「私は貴方のモノ」【完結】
「…俺が、怖い?」
怖い、よな。
何をされるかなんてわからないし。
震える手を自分の口元まで持って来ると、その手の平に唇を押し当てた。
息を呑むタエの手首を掴んだまま、俺は車へと向かった。
今日は家から出さない。
大学も知らない。
タエが勝手に出なければ普通に大学に来ていたのに。
車に乗り込んでも、俺が何かを言う事もなく、タエも何も発さずに無言のまま自宅まで到着した。
部屋に入っても無言のまま。
タエはさっき俺に掴まれた部分を擦っている。
顔はずっと俯かせたままで。
俺が動く度に、ビクっと揺れる体。
それにも無性に腹が立つ。
苛立ちながら鍵を投げ捨てた俺は、ソファへと体を沈みこませた。
タエは初めてここに連れて来た時の様に、リビングまで来て立ち尽くしていた。