「私は貴方のモノ」【完結】
携帯を取り出すと、俺はある人物へと電話をかけた。
『はいはーい。彬ですかー』
「どこにいる」
『ええ?今?家にいるけど』
「行く」
『何。強引だね。彬。どうしたの、俺の事襲いたくなった?』
「殴るぞ?」
『怖いわあ~。冗談通じないとか。まあ、いいや。俺ん家知ってるだろ?』
「ああ」
『待ってるよ~』
タケルも梓も他の奴らも、大学にいて講義を受けてる筈だ。
だから、かけた相手は三本木だった。
三本木は自由のきく職場だったから。
俺は車に乗ると、三本木の家へと向かった。
途中、タエの事はなるべく考えない様にした。
きっとあの部屋でタエは泣いているだろう。
その涙の理由が、俺にはわからない。
泣かせてる原因が俺であるなら、涙を拭う事も出来ない。
その涙の原因が、俺ならいいのに。
そうしたら、タエはずっと俺の事を考えているのに。