「私は貴方のモノ」【完結】



三本木の家に到着した俺は、玄関の前まで来るとインターホンを押す。
新築マンション。家族で住む様な広さの一室。



「よっ」


三本木は扉を開けると、笑顔でそう言った。
特に返事をする事なく中に入って行く。


殺風景で、何もない相変わらずの部屋。



「ビール飲む?」

「ああ、頼む」



冷蔵庫から缶ビールを二本取り出すと、俺に手渡した。
三本木は俺に向かい合うと、くくっと笑う。



「なんか、珍しく焦ってる感じがするな」

「……は?」



言ってる意味がわからない。

俺が焦ってる?



「彬っていつもポーカーフェイスじゃん?
特に表情も変わらねえし」

「……」



自覚はないけど、三本木が言うならきっとそうなのだろう。
三本木はこれでも見る目があるというか。

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