「私は貴方のモノ」【完結】
「そんな彬が表情に出してるってのが珍しいな、と」
「出てるか?」
「まあ、結構。何かに焦ってる感じ」
「……」
間違ってはいないな。
確かに俺は焦ってるのかもしれない。
タエをどうしたらいいのかもわからないまま。
「それは、前に俺が言った買った女の所為か?」
「……」
「ふうん」
――――――お前には関係ない。
そう、咄嗟に答える事が出来なかった。
俺が答えなかった事で、三本木は勝手に納得して自己解決してしまった。
「そんならこの家に少しいれば?」
「え?」
「買ったって事は、自宅にいるんじゃねえの?」
「……」
そこは否定も肯定もしない。
手に持った缶ビールに視線を移すだけだ。
「なんとなく、何があったか予想はついてるから。
だから、詳しく聞かねえけど…家にいたくねえんじゃねえの?」
「……」
「だから、冷静になる為にも俺の家に少しいればいいだろ。
俺そんな家にいないし」
「……」
「どうする?彬」
そう問われて、答えは簡単だった。