「私は貴方のモノ」【完結】


「…ああ、頼む」



一人になる時間が必要だと思った。
タエが側にいたら、きっと俺は冷静になんてなれない。



「ま、気の済むまでいればいいよ。俺はもうちょいしたら仕事行くから」

「……助かる」

「何だよ、素直で気持ち悪いな」

「……」



三本木はお酒を全部飲むと、行って来ると言ってから外へと出て行った。



二本目の缶ビール。
じっと、その缶を見つめる。



“……ひ、とりにし、ないで”


俺に懇願して、縋るタエ。
涙をボロボロと流す姿が目に焼き付いて離れてはくれない。


それから、どれだけアルコールを体に取りこんでも、一切酔いは回ってくれなくて。

諦めた俺は、横になる事にしたんだ。



目を覚ましたのは、物音がしたから。


< 133 / 219 >

この作品をシェア

pagetop