「私は貴方のモノ」【完結】
「…ああ、頼む」
一人になる時間が必要だと思った。
タエが側にいたら、きっと俺は冷静になんてなれない。
「ま、気の済むまでいればいいよ。俺はもうちょいしたら仕事行くから」
「……助かる」
「何だよ、素直で気持ち悪いな」
「……」
三本木はお酒を全部飲むと、行って来ると言ってから外へと出て行った。
二本目の缶ビール。
じっと、その缶を見つめる。
“……ひ、とりにし、ないで”
俺に懇願して、縋るタエ。
涙をボロボロと流す姿が目に焼き付いて離れてはくれない。
それから、どれだけアルコールを体に取りこんでも、一切酔いは回ってくれなくて。
諦めた俺は、横になる事にしたんだ。
目を覚ましたのは、物音がしたから。