「私は貴方のモノ」【完結】
「今日、大学は…」
「もう、好きにしていいから」
俺はタエの言葉を遮ると、早口でそう言った。
“本気なら、ちゃんと真正面から向かってやらないとな”
頭の中で響くのは三本木の言葉。
「え?」
「俺、暫く帰らないから。
だから、自由に出歩いていい」
呆けてるタエに近付くと、俺は財布から万札を数枚取り出す。
「あ、これ鍵と金」
手の平に乗った、お金と鍵をタエはじっと見つめる。
「金なくなったら連絡して。そしたら渡すわ」
「………アキラは、どこに」
「え?あ、うん。女のとこ」
嘘がするりと口から出た。
本当は三本木という男のとこにいて、お前が勘違いする様な事は一切ない。
だけど、そうやって最低な男だって思って欲しかった。
また、俺を憎めばいいと思った。