「私は貴方のモノ」【完結】
……今日はホテルにでも泊まるか。
そう、思って車を出すと俺はパーキングに車を停めた。
それからホテルを探す為に街中を歩いていた時だった。
「お前ら多恵から離れろっつーの」
ガヤガヤとした中で、そう声が聞こえて思わず足を止めた。
……タエ?
声がした方に目を向け、視線を凝らす。
楽器を持った塊の中に。
タエを見付けた。
タエは男三人に抱き締められて、小さくなっていた。
ドクンと心臓が鳴る。
その中の一人が、タエの頭を笑顔で撫でていた。
タエも満更でもない様子で、そいつに微笑みかけている。
タエの全身が見えて、目を見張った。
洋服は俺がタエに似合うと思って選んだワンピース。
三人はタエの隣に並ぶと、どこかへ向かおうとしていた。
曇りのないタエの笑顔に。
沸々と黒い感情が湧き出て来た。
気付けば、タエの元まで近寄り腕を後ろから引っ張っていた。