「私は貴方のモノ」【完結】
それからタエの姿を見る事なく、お昼になった。
梓が笑顔で俺に話しかけて来る。
「お昼、何食べる?」
「ああ…何でもいい」
「藤沢、こっちこっち」
俺を呼ぶ声にも、薄らと笑みを零すだけ。
5~6人でいつも一緒にいる。お決まり。
遠くから視線を感じたりするが、話しかけて来ようともしない奴に興味はない。
そんな奴らに構ってやれる程、俺は暇じゃない。
愛想良くしたって、疲れるだけなのを知っていたから。
適当に定食を選んで平らげた俺は、またクダラナイ会話に付き合った。
その時、俺の視界に映ったのはタエだった。
友達らしい女と向かい合って、座っているがタエの目の前には何もない。
お腹いっぱいの筈はない。
だって、昨日から今まで何も食べていないのだから。
……は?何で何も食べないわけ?
もしかして、金がないのか?
そういえば、手渡してなかった気がする。
所持金がいくらなのかも知らない。
暫く見てると、タエの前に座ってた女がタエに自分のお弁当の中身をあげていた。
……やっぱり金か?