「私は貴方のモノ」【完結】

「……」


不思議そうな顔をしたタエは、俺を覗き込む。


だけど、何も言葉にせずに俺は首にかけていたタオルで頭をがしがしっと拭くとクローゼットへと向かった。



別にただのワンピースじゃねえか。
なのに、胸がざわつくのはどうしてだ。


色気なんて微塵もないのに。
あの、どうしようもない衝動を思い出して、落ち着かない。


適当にクローゼットの中から洋服を取り出すと、俺はそれに袖を通す。
まだ髪の毛は乾いてなかったけど、別に構わない。


着替えた俺は車の鍵を取ると、タエに声をかけてさっさと玄関に向かった。



それから、向かったのはファミレス。
席に着くと、タエにメニューを渡して腕を組んだ。



そんな俺に、タエがおずおずと声をかけて来た。


「…あの」


視線だけで返事をすると、「食べない…の?」そう戻って来る。


「朝は食わない」

「………」


俺がキッパリ言うと、タエは口を噤み視線を泳がせた。
然程、気にせず俺はタエから顔を背けるとメニューを決めるのを待った。


筈だった。

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