「私は貴方のモノ」【完結】
自宅に到着した俺は、リビングに誰もいないのを確認して息をつく。
それから腕時計を外して、寝室に入りクローゼットへと向かう。
簡単な部屋着に着替えると、ベッドにちらっと視線を送った。
規則正しく動く布団。
ぎしっと音を立ててベッドに手をつくと、タエの顔を覗き込む。
「……起きてる?」
そう声をかけるが、無反応。
当たり前か。
寝てるのだから。
本当無邪気に寝てるな。
……頬にボタンの痕がついてる。
洋服に頬を押し当てて寝てたのだろう。
は。
もう、なんだこいつ。
女らしさのカケラもないな。
起こさない様に声を押し殺して笑うと、そっとその箇所を一度撫でた。
ふ。窪んでる。
それに満足した俺は、寝室を後にした。