「私は貴方のモノ」【完結】
陽子、か。
そういえば、何もタエについて言って来なかったな。
“彬さんは彼女とか作らないの?”
彼女、か。
特定の女を作るのはめんどくさい。
それに縛られる。
うるさく言われるのは好きじゃない。
都合良く抱けるなら、それでいい。
……タエは。
タエは俺のモノだ。
俺が買ったペットだ。
俺に他に女がいようが、好きに抱く。
タエは俺の言う事だけ聞いて、俺にだけ抱かれる為にいるんだ。
俺のモノだから。
彼女、ではない。
きっと、タエには好きな男がいる。
それは最初の頃に思っていた。
携帯を変えた時のタエの態度。
それでそう直感した。
いくら体を俺のモノにしても、心まではそう簡単に出来ない。
俺だけを求めて、俺しかいなくなれば。
そうなるのだろうか。