「私は貴方のモノ」【完結】


陽子、か。
そういえば、何もタエについて言って来なかったな。


“彬さんは彼女とか作らないの?”


彼女、か。


特定の女を作るのはめんどくさい。
それに縛られる。


うるさく言われるのは好きじゃない。


都合良く抱けるなら、それでいい。



……タエは。

タエは俺のモノだ。
俺が買ったペットだ。


俺に他に女がいようが、好きに抱く。
タエは俺の言う事だけ聞いて、俺にだけ抱かれる為にいるんだ。


俺のモノだから。


彼女、ではない。


きっと、タエには好きな男がいる。
それは最初の頃に思っていた。


携帯を変えた時のタエの態度。
それでそう直感した。


いくら体を俺のモノにしても、心まではそう簡単に出来ない。


俺だけを求めて、俺しかいなくなれば。


そうなるのだろうか。

< 98 / 219 >

この作品をシェア

pagetop