真夜中のパレード


透子は目を細め、その一つ一つに敏感に反応を返す。


いつまでたっても慣れないのは彼との行為もだった。

彼と付き合い始めてからほとんど彼の家で過ごし、
ほぼ一緒に住んでいるような物だった。


「昨日の夜もずっとだし、……っ」


愛おしそうに自分を見下ろす瞳を見つめながら、
彼は思ったよりも独占欲が強いのかもしれないと考える。


「直樹さ、ん」


太腿の間を這う指をじれったく感じながら、
彼の背中に手を当てる。


「ん?」


上条の腕に抱きしめられると、
甘い檻の中にいるみたいだった。


心地良くて温かいけれど、きっともう逃げ出せない。
でもそれを幸せだと思ってしまうから、重症だ。



上条がもう一度透子にキスしようとした時。


ぴょん、と灰色の物が彼の背中に飛びのってきた。



「うわっ」


後ろを振り返ると、ミケがにゃあ、
と遊んでほしそうに鳴いていた。


透子笑いながらうつぶせになって、
ミケを抱き上げ小さな頭をふわりと撫でる。


「どうしたの、ミケさん? 
最近ご主人様があんまりかまってくれなくて、
寂しいのかな。

ごめんね、居座っちゃって」
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