真夜中のパレード

上条はむすっとした顔をして、
ベッドから起き上がった。


「邪魔が入ったな」


透子はにこにこしながら彼に微笑みかけた。


「朝ごはん食べたら、また桜を見に行きませんか?」


シャツのボタンを合わせながら、上条が呆れたように笑う。


「何回も行ったじゃないか」


「でも、何回行っても綺麗ですし。
今年ももうすぐ見られなくなっちゃいますよ」


「……はいはい、
透子さんの言うことなら何でも聞きますよ」

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